心が和むような瞬間を演出
言わずもがなの大看板、ナットキング・コールの娘さんであるナタリー・コール。私自身はジャズ・ヴォーカルも、況してや往年の父親の活躍を知る由もなく、娘であるN.コールにつてはブラック・コンテンポラリー(≠ジャズ・ヴォーカル)のミュージシャンとして認識していました。
本作に手を出したのも、'92年のグラミー賞"Album of the Year"を獲得したという部分に惹かれたから…という、まぁ、決して自慢できる理由からではないのですが、ブラック・コンテンポラリー枠での彼女しか認識していなかった私にとっては、スタンダード(勿論、父親のヒット曲という部分も含み)をしっとりと歌うN.コールに想像以上の良さを感じたのも事実です。
マルチ・プロデューサー制で作成された本作ですが、デヴィッド・フォスターやトミー・リピューマといった名前が(プロデューサーとして)クレジットされている部分にも非常に面白く思えました。表面上はしっかりとしたジャズ・ヴォーカル・アルバムとした形態なのですが、裏を支えている名前にはポップスも十分に知り尽くした人達が演出していたのですね。時間の流れが緩やかになり、ふっと心が和むような瞬間を演出するには最適かも知れません。